画像SEO 2025 — alt・構造化データ・サイトマップの実務

公開: 2025年9月18日 · 読了目安: 1 · 著者: Unified Image Tools 編集部

はじめに

画像SEOは「画像を置けば拾われる」時代ではありません。検索流入を取り切るには、意味づけ(alt/ファイル名)、文脈づけ(構造化データ)、探索性(画像サイトマップ)、表示速度(LCP候補の最適化)を同時に揃える必要があります。この記事は2025年の実務観点から、迷いなく導入できる最小構成をまとめます。

TL;DR(先に結論)

  • altは「画像が無くても本文の意味が通る説明」。装飾は空alt、情報性は具体。
  • ファイル名は英数字・ハイフンで内容を表現。img001.jpg はやめる。
  • 構造化データ(Article + ImageObject)で主要画像の意味を強化。
  • 画像サイトマップを維持し、インデックスを安定化。
  • LCP候補はリサイズ/srcset/sizesで過配信をなくし、優先度制御。

altテキスト — 「見えない読者」に通じる説明

altは読み上げ・画像非表示時の代替です。文章の中で画像が果たす役割を一文で要約します。装飾的な区切りや単なる背景は alt=""(空)でOK。一方、図解・比較・操作説明のように情報を持つ画像は、固有名詞や数値を含めて具体に書きます。

良い例:

  • 裁断前後の画像を左右に比較するスライダー(Before/After の違いが一目で分かる)
  • 印刷サイズ計算ツールの入力例(幅210mm・300DPIの結果)」

悪い例:

  • 「画像1」「写真」「イメージ」
  • キーワード詰め込み(不自然・スパム的)

ファイル名 — 検索語と人間の理解が両立する命名

  • 英数字・ハイフンで「何か」を簡潔に示す(例: webp-compression-example.jpg)。
  • 半角スペース/日本語/記号は避け、拡張子は実体と一致させる。
  • 同一テーマの系列は -1/-2 等で連番化し、意味単位を崩さない。

既存アセットのリネームは、指紋付与とまとめて行うとキャッシュ運用が安定します。大量処理には 一括リネーム&指紋付与 が便利です。

構造化データ — Article + ImageObject で意味を補強

記事に関連づく主要画像には、構造化データで ImageObject を付与します。次のような項目が実務で効きます。

  • url / width / height
  • caption(図の説明)
  • representativeOfPage(代表画像かどうか)

本サイトでは記事の JSON-LD(Article)にOG/Twitter画像を統合し、ImageObject を併記する形で運用しています(詳細は実装ファイルにて)。

画像サイトマップ — クロールと正規化の補助線

全画像を列挙する必要はありませんが、主要な画像配信経路(記事/カテゴリ/ツールページ)を image:image 付きで列挙したサイトマップを保つと、インデックスの安定感が上がります。更新時は差分生成し、404化した古いURLを掃除します。

生成はスクリプト化が基本です。リポジトリ内の scripts/generate-sitemap.mjs を拡張し、<image:image> 要素を出力するのが近道です。

LCP候補 — レイアウトから逆算し、過配信を断つ

LCP候補(ヒーローや冒頭の図)は、以下の順で設計します。

  1. コンテナ幅 × 想定DPRから上限ピクセルを算出
  2. 代表幅を3〜5本用意し、srcset/sizesを正しく記述
  3. priority/preload/fetchPriority で初期表示を後押し

最初の設計に迷う場合は 2025年のリサイズ設計 — レイアウトから逆算して 30–70% の無駄を削る2025年のレスポンシブ画像設計 — srcset/sizes 実践ガイド を参照して、過配信を可視化してから決めると失敗しません。

運用の型 — 自動化して劣化を防ぐ

  • マスターは高品質で保管し、派生はビルドでワンパス生成
  • 変換は WebP 基軸+AVIF 追加検証、ICC/メタデータ方針を統一
  • 長期キャッシュ+指紋付与で差し替え時の破綻を回避

併用すると便利なツール:

まとめ

画像SEOは「意味づけ(alt/ファイル名)」「文脈づけ(構造化データ)」「探索性(サイトマップ)」「速度(LCP)」の4本柱で設計すれば、無理にキーワードを詰め込まずとも検索流入は伸びます。まずは既存記事の主要画像から方針を揃え、次にLCP候補の過配信を断つところから始めましょう。

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